導入事例


食品会社の医薬品・化粧品原料製造部門

背景

この会社は食品製造で成長してきた会社でしたが、主力食品の原材料の廃棄物から医薬品・化粧品の原料が作れることを発見し、新規事業として新工場を建設し、事業を始めました。

 

当初の状況
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医薬品原材料には顧客の要求するスペック通りの製造と安全性の確保が不可欠で、この会社がこれまで製造してきた食品よりも、厳しい基準で製造を行わねばなりませんでした。この基準の厳しさと、製造工程の一部に難しい作業があったため、不良品が多く、営業部門が希望する製造量を確保できないことがしばしばあり、工場の採算も良くありませんでした。この状況を打破するために担当のマネージャーが自身の責任として孤軍奮闘していましたが、負荷が過大でした。

 

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当初の組織文化

工場のマネージャー以上が参加したワークショップと、問題となっていた製造課全員が参加したワークショップを通じて、認知的文化として、トップダウン型マネジメントの存在、自主性の奨励、個人責任の重視があること、情緒的文化として、「自分だけでは無理なので協力してほしい」と言えない、「自工程はきちんと作業しているので、これは他工程の問題だ。」という他責が芽生えやすいことが分かりました。

 

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ワークショップ

2回のワークショップでクオンタムリーププログラムを実施し、認知的文化をトップダウン型マネジメントからコーチング型マネジメントに変えることが必要だという認識が共有され、また、情緒的文化の「協力してほしい」を言えるようにすることが他責に陥ることを防ぎ、工場全体で問題解決に取り組む状況を作り出す、ということも共有されました。

 

現在の状況

ワークショップでの気づきを実践していく中で、適材の異動、孤立していた品証部門の組織変更と協働体制の構築が工場長中心で行われ、自分の考えを明確に発言できる人材が育ち、製造量が安定し、工場の採算は大きく改善されました。医薬品原料の需要が増えて製造量が増加していますが、大きな問題は発生しなくなっています。