QLPとは


製造や販売の現場経験が豊富で、組織の問題へのアウエアネスが高く、その問題に最適な方法を創造して、問題解決への触媒となるプログラムを提供してきた菊山博之と、プロセスワークのプロとして、その組織応用に取り組み、グループシステムワーク(グループの感情を表出させ、そこから気付きを引き出すワーク)を組織に導入してきた横山十祉子が協働で開発した、全く新しい組織変革プログラムです。

組織の文化

どの組織にも、培われた文化があります。ペンシルバニア大学のシーガル・バーセイド教授とジョージメイソン大学のオリビア・A・オニール助教授は、組織文化には「認知されている文化」と「感情の文化」があると言っています。

 

「認知されている文化」とは目標達成への指針としてメンバー間で共有される知的な、理念、規範、前提などで、これによって組織での思考や行動の方向付けがなされます。例えば、顧客重視、革新性の重視、チーム志向、競争心の醸成などのレベルが決まります。

 

一方、「感情の文化」とはメンバーが共有する情緒的な、理念、規範、前提などで、これによって組織で人々がどのような感情を表すか、抑えた方が無難な感情は何かが決まります。例えば、メンバー全員がどんなことでも言い合うとか、意見を言わずに黙々と仕事を進めるとかが決まるのです。
日本の企業でよく見られる「認知された文化」には、「品質重視」や「顧客重視」などがあり、「感情の文化」には、「個人が責務を果たすのは当然」とか「無理です、出来ませんとは言えない」などがあります。

 

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組織の文化を変える

従来の組織変革において、変革の対象は「認知されている文化」でした。例えば、形骸化したビジョンの代わりにメンバー全員が同意したビジョンを創り、それが実現できる組織に変える。あるいは顧客志向を強化するために営業部門で新たな行動規範を考えて実行する、などの活動です。これらの組織開発活動は過去の組織をベースとして新たな組織を生み出す、連続的な変革と言うことが出来ます。

 

これに対して、「認知された文化」と合わせて「感情による分化」も変革するのが、我々のクオンタムリーププログラムです。

 

「感情の文化」が「無理です、出来ませんとは言えない」という組織があるとします。この組織の顧客ニーズが多様化して扱う製品が多品種となり、少量の製品を生産して販売する傾向が強まっています。この状況でまず手を付けるのは、サプライチェーンの効率向上を図るための組織変革です。ところが、生産部門は既に最高の生産性になるように改善されていて、これ以上の効率化は難しいことが良くあります。会社は「更に効率を上げろ」と言うのですが、現場では「もうこれ以上は無理」なのです。ところが「感情の文化」のため「もう無理です」は言えません。その代わりに「何とかします」と言ってしまうのです。その結果は、生産現場が無理を重ねて疲弊してしまうことになります。

 

「感情の文化」を変えることができて、「これ以上は無理です」が言えるようになったならば、生産現場の問題を全社の問題として取り組むことになり、VUCAな環境でも生き残れる組織を創る非連続な変化が可能になるのです。

 

クオンタムリーププログラムは「感情の文化」を変える

組織にどのような「感情の文化」があるのかを知ることが重要です。「感情の文化」は通常語られることはなく、表情や身振り手振りとして現れます。これらを手がかりとして組織の「感情の文化」に気づき、それをどのように変えルことが望ましいのかを探る、これを可能にするワークを含んだ組織変革プログラムが、クオンタムリーププログラムです。

 

そのワークはグループシステムワークと呼ばれます。深層心理学をベースとしたこのワークは、その組織が持つさまざまな立場をロールという形で場に現します。そこでの感情の表出により、参加者同士の関係がより深まるだけでなく、感情面を含んだ組織の全体システムの構造とダイナミクスを参加者全員が理解することができます。さらに、ワークを通じて、課題を作り出している組織の深いメンタルモデルや恐れを各人が自分ごととして受け止め、それを手放すことで、クオンタムリープが起き、より広い視野から新しい目で組織のあり方を見ることができるようになっていきます。